厚生年金基金というのは、会社勤めをするサラリーマンやOLが加入するものです。また国民年金(老齢基礎年金)は基礎年金ですので、厚生年金基金の加入者は国民年金も加入しています。しかし厚生年金基金加入者と自営業者や農業を営んでいる人等、国民年金(老齢基礎年金)しか加入していない第1号被保険者と比べると、将来受給できる年金額に、大きな差が生じてしまいます。
その為この年金額の差を無くそうと、第1号被保険者から上乗せの年金を求める強い要望があり、平成3年4月に国会審議を経て、厚生年金基金等に相当する国民年金基金制度が創設されたのです。
そして国民年金基金制度により、第1号被保険者の人の公的年金は、第2号被保険者が加入している厚生年金等と同様に、国民年金(老齢基礎年金)と国民年金基金の2本建ての選択が可能となりました。
ここ最近、日本人の平均寿命の高さは男女共に世界でもトップクラスを誇っています。実際に平成17年の調査では平均寿命が、男性が78.53歳、女性は80.49歳となっており、50年後には90歳を超えるのでないかはという意見もあります。その為には、長い老後期間に備えての計画的な生活設計を立てることが、必要となります。
そして老後に必要な生活費は、平成17年の家計調査によれば、高齢者の世帯の支出は月額約27万円という調査結果が出ています。ただ国民年金(老齢基礎年金)だけでは、その受給金額の半分にも満たなくなるという計算になります。
そこで、第1号被保険の加入者が、国民年金基金制度を利用し、公的年金を2本建てにすることによって、受給する年金額を少しでも補うことができる様になります。
2年前の平成17年4月から、国民年金等の年金制度が大きく変わっています。まず最初に、国民年金保険料免除の所得基準が一部緩和されました。以前は扶養者控除が無い為に単身世帯にとって厳しいものとなっていた、国民年金の保険料免除の所得基準が、単身世帯を中心に緩和されているのです。
そして若年者納付猶予制度が導入されたのも、この時です。そして、学生納付特例制度の対象となる学校も、拡大されました。
学生納付特例制度というのは、在学期間中に国民年金保険料を猶予するという制度です。以前までは一部の各種学校に限られていましたが、1年以上の課程に在籍している学生であれば、全ての各種学校が特例制度の対象いうようになりました。そして、第3号被保険者の特例も、実施されました。
以前までは、第3号被保険者の届出が遅れた場合に、2年前まで遡って第3号被保険者の期間となるのですが、それ以前の期間は保険料の未納扱いになっていました。しかし改正後は届出をすれば、2年以上前の期間も第3号被保険者期間として取り扱ってもらえるのです。
またその他に、子育てをしている人を対象に、育児休業期間中の保険料免除制度が延長されたり、育児しながら仕事する人に対して、保険料が配慮されるという措置が実施されています。しかしながら、制度改正の中には国民年金保険料の月々の支払額が引き上げられるようになったりと、良いことばかりでもありませんでした。
そして、平成18年度も一部年金制度が、改正されました。この時もまた、保険料額が改正になっています。その予定は、平成29年度まで毎年度月額280円引き上げられ、最終的に月額16,9000円となっています。
この改正は、急速な少子高齢化に対応する為、年金を支える力と給付のバランスを取る為の策なのです。その他にも、保険料免除の段階が増えたり、厚生年金基金保険料の算定基礎日数が変わったり、年金額が0.3%引き下げられる等といった改正がありました。
国民年金基金というものは、会社勤めをするサラリーマンやOLが加入する厚生年金基金と、国民年金しか加入していない第1号被保険者との受給金額の差を無くす目的で、設けられた制度のことです。
またそれとは別に、第1号被保険者・任意加入被保険者が定額保険料に付加保険料をプラスして納付すると、老齢基礎年金に付加年金が上乗せされるシステムの、付加年金という制度があります。この付加年金の保険料は、月額400円です。そしてその付加年金の受給額は、200円×付加保険料納付月数となります。
例をあげると、付加年金保険料を10年間納付した場合付加年金保険料は、400円×10年(120月)=48,000円になります。そしてその場合、受給できる付加年金額は年間で、200円×10年(120月)=24,000円となります。また付加年金を2年間受給すると、納付した付加年金保険料総額と同額となります。これは、付加年金額を65歳から受給した場合の年金額となります。
付加年金を納付できる人の条件としましては、第1号被保険者(任意加入者を含みます)であることです。つまり、付加年金のみの加入はできません。そして、保険料の学生納付特例免除を受けている人・国民年金基金に加入している人も加入できません。
また申し込みには、市役所または各支所に年金手帳、それか基礎年金番号がわかるものを持参する必要があります。そして、申し出のあった月から加入が可能となります。
付加年金の制度は、国民年金基金に加入する余裕は無いけれど、少しでも年金受給額を増やしたいという人には、効果的と言えるものです。
もし経済的な理由等で、国民年金保険料を納付することが困難な場合には、申請することにより保険料の納付が免除となる「保険料免除制度」や、保険料の納付が猶予される「若年者納付猶予制度」があります。そして国民年金免除制度は、全額免除制度という一部免除制度があります。
また両方とも免除に基準があり、全額免除制度の所得基準は前年所得が、(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円の範囲内であれば適用されます。しかし申請者本人の他、配偶者・世帯主もこの基準の範囲内でなければなりません。
ただし、全額免除適用期間は、全額納付した時に比べると年金額が3分の1で計算されます。つまり一部免除制度の所得基準は、前年所得が、78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内であれば4分の1の納付、118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内であれば2分の1の納付になります。
それから、158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲であれば4分の3の納付になります。ただこれも、年金計算が全額納付した時に比べて目減りしてきます。4分の1納付した場合は年金額2分の1、2分の1納付の時は年金額が3分の2、4分の3の納付の場合は6分の5の年金額で計算されることになります。
また若年者納付猶予制度は、30歳未満の人が適用になります。その目的は、他の年齢層に比べて所得が少ない若年層の人が、保険料免除制度を利用することができずに、年金を受け取ることができなくなることを防止する為です。
そして申請することにより保険料の納付が猶予されて、保険料の後払いができるという制度です。これらの免除の所得基準は、全額免除制度の所得基準と同じです。また若年者納付猶予制度の場合も、年金計算が全額納付した時に比べて少なくなってきます。
このように保険料免除制度も若年者納付猶予も、制度を受けた期間は保険料を全額納付した時に比べ、受け取る年金額が少なってしまうことからその対策として、10年以内であれば、後から保険料を納付することができるようになっています。
近年の「国民年金問題」の話題において、国民のどれだけ多くの人が不安を抱えたかわかりません。これは生活に直接影響してくるお金の問題ですから、格差社会と呼ばれる現代社会において、低い階層にいる人間にとって不安になるのは当然です。
今まで必死で払ってきた保険料を未納扱いにされてしまっては、たまったものではありません。そこで出てきたキーワード「未納」ですが、同じ支払わないことでも、「未納」「免除」では、とても大きな違いがあることを知っておきましょう。
最初に、国民年金保険料納付の「免除」には「法廷免除」と「申請免除」の二種類があります。まず法廷免除は、生活保護などの扶助を受けている、1級・2級の障害年金を受けている場合です。一方申請免除は、所得が少なく経済的に困っている・障害者または寡婦で所得が少ない・天災・失業で保険料の納付が困難だという場合です。
そしてこれらの理由を申請すると、所得審査により国民年金保険料が全額または、半額免除になるという制度です。
「全額免除」を受けた場合は、老齢年金を受け取る為の受給資格期間に入ります。また「半額免除」の場合は、保険料の半額を納めれば受給資格期間に入ります。そして「未納」の場合は、受給資格期間には入りません。
また、受け取る老齢年金の金額も、免除・半額免除であれば、率は下がりますが計算されます。でも、「未納」の場合は計算されません。そして「未納」の状態であると。障害基礎年金・遺族基礎年金も受給されないことがあります。
従って、どう頑張っても国民年金保険料を納めるのが困難である時は、「免除制度」を利用できることを知っておきましょう。
国民年金保険料は、納付期限から2年を過ぎてしまうと、もう納めることが出来ません。しかしながら、国民年金免除制度を受けている期間や若年者納付猶予期間、学生納付特例期間については、10年以内であれば遡って納めることができるのです。まさしくこれが、国民年金の追納制度というものです。
年金は25年以上加入していないともらえませんが、免除制度・猶予制度・特例制度されている期間も、納めている期間として計算されています。これら免除・猶予期間・特例期間を承認された期間は将来、老齢基礎年金の受給資格期間として計算されますが、受給する年金額は全額保険料を納付した場合より減少するようになっています。
しかし、もしゆとりができた時に追納しておけば、受給される年金額は減少されることはありません。追納制度というのは、そのような場合の為に設けられた制度です。そして追納できるのは、過去10年以内の保険料の全部または一部で、一部を納める場合には古い期間から順次納めることになります。
ところが、ここで注意する必要がある点は、追納する場合の保険料には、免除を受けた時の保険料に一定の率を乗じて算出された額が加算されてしまいます。(ただし、免除を受けた年度の翌々年度以内に追納する時には、加算されません。)つまり場合によっては、追納しない方が得をするというケースも出てくるわけです。
その為、運用環境の利率の設定や、何歳まで生きられるか、何年分の保険料を追納するか等の条件により結論が変わってくるので、個々の事例に合わせて、シミュレーションをしてみる必要があります。
特例納付制度というのは、2年前までの分しか納められない国民年金を、遡り一括して納めることを可能にした特例の制度のことです。これは納付期間が足りなかったりした人等を、救済する為に設けました。過去には1970年~1980年に3回実施されています。
その当時、国民年金の納付は市町村の窓口で受け付けていましたが、特例納付については省令で、市町村では受け付けられないことになっていたので、社会保険事務所に納めていました。
ところがその後、国民年金をめぐるトラブルが多発し、今年になって年金記録不備問題が大きくクローズアップされてしまいました。更に、この特例納付制度を利用して年金を納めた人の記録が、消えているという人も出てきました。しかし社会保健事務所の対応は、領収書が無ければ認められないとのことでした。
今年7月には、自民党の中川昭一政調会長はNHKの番組で、公的年金保険料の納付記録漏れ問題に関連して、特例納付制度の運用を弾力的に見直す必要があるとの認識を示しました。そして社会保険庁の体質改善、領収書が無い場合には支給の可否を判断する第3者委員会の設置など、対策が検討されているところです。
特に、この年金問題は対応が急がれる問題であり、現在の社会保険庁では時間を延長して年金記録の突き合わせを実施して、対応をしています。
そして、政府は予算の総額を示していませんが、自民党内には「1千億円程度の税負担が必要」との予測もあります。また政府は、年金対策の全容を国民に示し説明すべきである、という声も多くあがっています。
日本国内に住んでいる全ての人は、20歳から国民年金の被保険者となり、国民年金保険料の納付が義務付けられていますが、学生については申請することによって、在学中の保険料の納付が猶予される学生納付特例制度が設けられています。
その学生納付特例制度の条件は、申請者本人の平成19年度の所得基準が、118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等の計算式の金額以下の学生が、基準となります。そしてこの場合、家族の人の所得の多寡とは関係ありません。
指定学校に関しては、大学(大学院)・短期大学・高等学校・高等専門学校・専修学校などの他に、終業年限が1年以上の課程に在学しているような学生のみが対象になる各種学校・日本国内にある海外大学の日本分校であって、文部科学大臣が個別に指定した課程に在籍する、海外大学の日本分校も対象となっています。
それは例えば、テンプル大学ジャパンの一部の課程や、レイグランド大学ジャパンキャンパス等がそれに該当します。また夜間・定時制課程・通信課程の人も含まれるので、殆どの学校の学生が対象になります。
この学生納付特例制度のメリットは、障害や死亡などの不慮の事態が生じた場合には、事故が発生した前々月までの被保険者期間の内、国民保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が3分の2以上の場合、そして事故が発生した月の前々月までの1年間に保険料の未納が無い条件の場合に障害基礎年金や遺族基礎年金が受給できます。
しかし学生納付特例制度の承認を受けている期間は、保険料納付済期間と同様に保険の対象期間となります。
また、老齢基礎年金を受け取る為には、原則として保険料の納付済期間等が25年以上必要ですが、学生納付特例制度の承認を受けた期間はというのは、この25年以上という老齢基礎年金の受給資格期間に含まれることになります。以上のように学生納付特例制度は、様々なメリットがあります。