もし経済的な理由等で、国民年金保険料を納付することが困難な場合には、申請することにより保険料の納付が免除となる「保険料免除制度」や、保険料の納付が猶予される「若年者納付猶予制度」があります。そして国民年金免除制度は、全額免除制度という一部免除制度があります。
また両方とも免除に基準があり、全額免除制度の所得基準は前年所得が、(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円の範囲内であれば適用されます。しかし申請者本人の他、配偶者・世帯主もこの基準の範囲内でなければなりません。
ただし、全額免除適用期間は、全額納付した時に比べると年金額が3分の1で計算されます。つまり一部免除制度の所得基準は、前年所得が、78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内であれば4分の1の納付、118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲内であれば2分の1の納付になります。
それから、158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等の範囲であれば4分の3の納付になります。ただこれも、年金計算が全額納付した時に比べて目減りしてきます。4分の1納付した場合は年金額2分の1、2分の1納付の時は年金額が3分の2、4分の3の納付の場合は6分の5の年金額で計算されることになります。
また若年者納付猶予制度は、30歳未満の人が適用になります。その目的は、他の年齢層に比べて所得が少ない若年層の人が、保険料免除制度を利用することができずに、年金を受け取ることができなくなることを防止する為です。
そして申請することにより保険料の納付が猶予されて、保険料の後払いができるという制度です。これらの免除の所得基準は、全額免除制度の所得基準と同じです。また若年者納付猶予制度の場合も、年金計算が全額納付した時に比べて少なくなってきます。
このように保険料免除制度も若年者納付猶予も、制度を受けた期間は保険料を全額納付した時に比べ、受け取る年金額が少なってしまうことからその対策として、10年以内であれば、後から保険料を納付することができるようになっています。
年金未納問題についてご紹介します。日本の年金制度というものは「国民皆年金」でありますので、全ての国民が年金を受給できる制度となっています。しかし、国民年金保険料(第1号被保険者)の納付率は非常に低い状態でした。2002年(平成14年)度は62.8%(最終納付率66.9%)と、およそ3人に1人が国民年金の保険料を納めていないということが広まりました。
そこで、2003年に厚生労働省と地方社会保険事務局に国民年金特別対策本部が設置されました。女優の江角マキコさんを起用し、テレビCMやポスターなどで国民年金の納付を呼びかけました。しかしながら翌年には当の本人自身が国民年金に未加入であり未納期間があったことが判明したため謝罪会見をおこないました。そして行政への批判が強まりました。
しかし、年金が未納だったのは江角さんだけではありません。その当時の閣僚や議員の中にもたくさんいることが判明しました。「未納3兄弟」というように揶揄されたこともありました。未納を生み出す年金制度の方に問題があるというような展開になりました。結果的にいえば、江角さんは潔い謝罪を行ったことが好評価となったのです。